Ohji Hayashi / Recording Enginer Osaka Japan
林 皇志
Ohji Hayashi
O.G Hayashi
Silence Audio Recording代表。大阪の録音エンジニア。
少年ナイフ、ボアダムス、竹村ノブカズ・トウヤマタケオを始めとする、関西出身の錚々たる音楽家の録音を手がけている。
2009年に手掛けたmama!milkの4thアルバム「Fragrance of Notes」では「Jazz Album of the Year 2009」( 英国BBC radio 1, Worldwid Award )を受賞するなどその繊細ながらも大胆な音は国内・外問わず支持されている。
宜しくお願いします。林さんはキャリア長いですよね。音楽エンジニアとしてはどのくらいやってますか?
今年で30年ほどですね。
エンジニアになる前は何をされてましたか?
ロックボーカリストですよ。(笑) けっして日本では売れることはないであろうプログレバンドをしてました。
エンジニアになったきっかけは?
知り合いのバンドのヨーロッパツアーに付いていった事があって、そのときの経験で音楽に対する価値観ががらっとかわったんですよ。で、自分のバンド活動もうまくいってなくって、これからどうしよう?とおもってたときに、スタジオで声をかけられたのがはじまり。
ふむふむ。。。もう少し詳しくきかせてください。
ツアーにはモニターPAとして同行し、ツアー終了後、ヨーロッパの数か国を一人で周ってました。
そこで感じたのが、まずはジャンルとか関係なしに音楽に対する体制が日本と違ってたんです。音楽が生活の一部になってるというか。。。
例えば、ストリートミュージシャンが演奏してて、それがよい音楽だと、年齢を問わずいろんな人がちゃんと聴いてて、、ジャンルも関係ないんですよね。
また、色んな国の演奏者とも接して、演奏者としての曲作りやアレンジなどその時の自分では限界を感じたりもしてね。
でも、音楽には関わっていきたいと思ってる矢先に、いつも練習してたスタジオの前の録音エンジニアが辞めるから、<林くん、録音できるの?>とスタジオのオーナーに訊かれ、<はい>と応えて、、それがきっかけかな。
あと、やっていくうちにこの仕事が自分の性格にあってたんだと思った。
レコーディングのやり方などはどうやって習得していったのですか?
高校生の頃に自宅でラジカセ2台を使ってダビングする方式で音源を作ったのが始まりな感じかな。
1台のラジカセのマイクにギターを録音してそれを再生しながら1台のラジカセに録音していって、、、途中で間違えたら最初からやり直しな感じで、(笑)
自分の曲を作るために最低限の機械で工夫しながらやってましたね。
音響の専門学校に行ってたけど、自分がエンジニアになる勉強をしにいってたのではなく、バンドのメンバーを探しに行ってた感じです。
その後に4チャンネルのオープンレコーダーを買って自分で宅録しながら覚えていった感じですね。スタジオで仕事としていろんなバンドの音を録りながら、正直遊んでる気分で色々習得していった感じですかね。
ほほう。。。では何か、録音エンジニアになりたい!って人にアドバイスありますか?
いい音楽をいっぱい聴いていい音を知る事ですね。
意外かもしれないけど、僕はクラッシックの定演コンサートに4,5年行ってた時に音の組み合わせ方、楽器の配置やバランス、楽器の音色など、そういうのが全て考えて作られているのを観て聴いて、いろんなことを学んでいきました。
録音エンジニアとしてはメジャーからインディ、多く手掛けてますよね?
そうですね。
すいません。わたし、、フィッシュマンズが好きなのでお聞きしたいのですが、フィッシュマンズの音源もされてますよね? その事きいてもいいですか?
あっ。そうなんですね。(笑) はい。8月の現状のアナログ盤のミックスをやっただけですけどね。
どの曲ですか?
<ずっと前><Just thing> と、、、<Sunny Blue>と、えーと、あっ、<ナイトクルージング>ですね。
なにかその音源つくるときのエピソードがあればきかせてください。
佐藤君に、どんな風にしたいの?って訊いたら、空の上から下をみてふわふわしてるみたいな。といわれ、わかった。と、二言返事でできたのが<ずっと前>MIXなんだけど、それ通りに出来上がってるとおもいますよ(笑)
[空のうえから]ってリクエストをどんな風に表現したんですか?
いろんな楽器の音が有機的にずっと動いてる感じに仕上げました。
メジャーもやり始めた頃、東京に拠点をうつそうとはおもわなかったのですか?
僕が関わっていたバンドはほとんど関西に在中してたし、録音とかで東京のスタジオには行ったりもしてたけど、拠点を移そうと思ったことはなかったですね。当時東京には楽器屋さん以外に興味なかったですね。
今現在は?
大阪の芸術創造館とLubLabを使ってやることが多いですね。簡単な録音やMIXは自宅のスタジオでもやってます。
これからしたいことはありますか?
例えば、ピンクフロイドやツェッペリンように、音源が新しい世代の人達にもずっと聴き継がれていくようなかっこいいロックなバンドの録音に携われたらいいですね。
林さんが録音したボアダムスのチョコレートシンセサイザーはもう世代を超えて聴き継がれていってますよ。
そうなんですか? そうかもしれないですね。ずっと残っていくかもね。